2016年5月22日日曜日

冬眠、そして

長いこと顔出さなかった間のあらすじ。

昨年11月頃 アンジュ(♀・2歳)を冬眠体制に入れる。
…が、これちょっと早かった。
冬眠に適した温度は10度前後で、15度にもなると動き始めてしまうので体力の消耗が激しく、よくないのだという。
飼い主の住環境は、関東在住、鉄骨アパート二階。
玄関や窓際や、なるべく寒いところに置いてみたものの、なかなか15度を下回らず…
おっかないので、結局1月頃にヒーター付きケージに移して暖め、覚まさせてしまった。
目覚め後すぐに脱皮サイクルが戻り2週間ほどで脱皮。
その後の給餌で旺盛な食欲を見せる。無事確認。

反省を踏まえ今年1月、アンジュと入れ替わりにマリー(♂・3歳)を冬眠へ。
こちらの方が上手くいったと思う。常に10~13度くらいをキープできた。
一応、温度の下限は0度…つまり凍結温度を下回ってはいけないのだが、
関東で、密閉性の高い屋内ということもあり我が家に限っては心配無用だった。
3月、目覚めさせる…というより、気温の上昇と共に自然と起きていることが多くなったので、
飼育スペース、アンジュのケージの近くへ。

ジン(♀・1歳)は今年は加温越冬。
まだまだ子供。冬眠には早い。

かくして一冬ぶりに3匹揃った飼育スペースでは、
マリーが2度ほど餌を食べて冬眠前のぶりぶりに肥えた体にすっかり戻ったと思ったら
急に拒食したり(多分、アンジュの匂いに気がついて発情したと思われる。食べなくてもおそろしく元気で昼夜問わずのたくり回るわ脱走を図るわ)
その割にアンジュはマリーに気がつかず発情らしき兆候は一切見られず普段通りで、
メスだとこんなもんなんだろうか、と思っていたら、何故かジンがマリーと同じく拒食&のたうち回るという事態に発展。
ジン、メスなのに。子供なのに。冬眠もしてないのに。マリーにつられたか。おませさん…

加温設備があれば、飼育下のヘビが冬眠をする必要は必ずしもない。
よく言うのは、『冬眠と永眠は紙一重』。事故に繋がりやすいので、目的もなくさせる理由はないのだが、
交配を考えているならば、特にメスにとっては必須の行程になる。

5月、十分に餌を摂り冬眠前の丸々とした体型に戻ったアンジュと、
暴れ疲れて休憩中のマリーを引き合わせる。
一つのケージに入れた途端マリーの目の色が変わった。
本能的になすべきことがわかる動物の勘は凄いと思う。



スピード感


追いかけるマリーと逃げるアンジュ。
手も足もないヘビだから体で体を押さえつけるしかない。結果、メスの体とぴたり重なるポージングをして寄り添うオス。




総排泄孔の位置が合う。が、アンジュは尻尾を上げない。スイスイ這って逃げてしまう。




まあ、初対面から上手くいかなくても仕方ない…
と思いかけた、何度目かのチャレンジにて。
アンジュが尻尾を上げた!








相性が悪かったらどうしよう?喧嘩をするんじゃないか?
アンジュがストレス感じて体調でも崩したら…という飼い主の心配も何のその。
一度繋がると両者とも静かだ。
20分…30分…動かない。ヘビの交尾はこんなに長いのか。




不思議なオブジェクトのように
時の止まったような2匹。




体と顔はぴたりと静止しているが、
ただ一つ盛んに動いている場所がある。
尻尾の先。
動画で見たほうが早いと思う。
会話するかのようにじゃれ合い、絡み合う。




一丁前に女の顔もするw




終わりに近付くと、アンジュのお腹がぽっこり膨れてくる。



分かるかな?


そして解散。
それぞれのケージに戻して後、アンジュには景気付けにホッパーマウスを1匹。
食べた…胆の太い子は助かるなぁ。

一安心とちょっと感動の出来事だった。
生き物の営みは美しい。